いびきのレーザー治療について
いびきの原因
いびきとは睡眠中に口蓋垂(のどちんこ)、軟口蓋や咽頭の粘膜が、呼吸に伴って発する振動音や摩擦音をいいます。
いびきのおこる原因は
- ① 鼻づまり傾向があり、夜間の鼻呼吸が不十分で口呼吸がメインとなる人。
- ② 口蓋垂(のどちんこ)が太くて長い人。
- ③ 粘膜のひだ(口蓋弓粘膜)の付着部位が低く幅広く、水かき状に垂れさがっている人。
- ④ 扁桃腺(口蓋扁桃)が大きく中央に張り出している人。
- ⑤ 舌が大きく、後方が盛り上がっている人。
- ⑥ 下あごが小さく、舌根が落ちやすい人。
- ⑦ 肥満により首の周りに脂肪がたくさんついている人。
いびきは以上のように様々な要因が関係しています。睡眠時無呼吸を伴わない単純いびき症は①~④が原因であることが多く、そのような場合には手術的治療の対象となります。
治療
原因①のように鼻づまりが主因と考えられるいびきでは鼻づまりを改善させると約30〜50%の確率でいびきが改善するとの報告があります。アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・鼻中隔弯曲症・肥厚性鼻炎による鼻づまりがある方には、まず内服薬や点鼻薬などの治療を試みます。鼻づまりが改善しない場合は下鼻甲介切除術を考慮します。
②③が主な原因となっている場合はレーザーによる口蓋垂軟口蓋形成術(Laser assisted uvulopalatplasty:LAUP)の良い適応です。LAUPは口蓋垂(のどちんこ)とその周りの軟口蓋粘膜をレーザーを用いて切除して呼吸の通り道を広げる手術です。気道が広がると、喉の粘膜の震えが抑えられ、いびきや無呼吸が軽減します。レーザーを使用することにより、術中の出血や痛みを抑えることができ傷口の縫合が不要となります。LAUPはいびきに対しては約90%の方に症状改善効果が認められます。ただし効果には個人差があります。その一方で、睡眠時無呼吸症候群に対する効果はあまり期待できないといわれています。当院では初回手術では口蓋垂(のどちんこ)を1/4~1/3残し、水かき状の後口蓋弓粘膜の切除のみにとどめるようにしています。これは口蓋垂(のどちんこ)が全くなくなってしまうことに心理的抵抗感をもつ人が多いということ、術後の治癒過程で予想外に創部が収縮して術後の不快なのどのひきつれ感・違和感が生じるのを予防すること、粘膜の過大な切除による飲食物の鼻腔への逆流や開鼻声(鼻もれ声)を予防するためです。手術後、いびきの改善度が悪い場合には口蓋垂(のどちんこ)と前口蓋弓粘膜の一部を追加で切除する修正手術を再診料のみでご相談させていただきます。また、口蓋扁桃肥大が顕著で通常のLAUPだけではいびきが改善しない場合には追加で扁桃凝固術の相談をさせていただきます。手術自体、あるいは手術後の痛みに対する恐怖感が強い方に対しては同じ手術内容を2~3回に分割して行うことも可能です。分割することによって1回あたりの手術時間を短くすることにより恐怖心を和らげることができ、また手術範囲を小さくすることにより術後の痛みを軽くすることができます。
手術は耳鼻咽喉科の診察治療椅子に座ったままで行います。まずゼリー状の麻酔薬と麻酔薬の吸入による表面麻酔を行い次に、局所麻酔薬を切除する部位に注射し、浸潤麻酔を行ってから手術を始めます。治療は約20分程度で、痛みがほとんどなく、出血もありません。
術後ケア
レーザー治療後は10日前後扁桃炎や口内炎様の痛みを感じることが多いですが、十分量の消炎鎮痛剤で対応できるため日常生活はほぼ支障はありません。運動も可能です。食事は手術当日から可能で特に制限はお願いしていませんが始めは刺激物は避けていただくのが無難です。
術後の出血は殆どありませんが、少量のにじむような出血が希にあります。手術後、約2ヵ月経過を見て、いびきの改善度が悪い場合には追加修正手術を御相談させていただきます。
費用(※保険適用、3割負担の場合)
レーザーによる口蓋垂軟口蓋形成術(LAUP) | 約30,000円 |
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ラジオ波による扁桃凝固術(切除術) | 約4,300円 |
■休診日:木曜
月午後・金午後・土・日・祝:※予約手術のみ
- 診療科目
- 耳鼻咽喉科・アレルギー科
- 住所
- 〒107-0052
東京都港区赤坂4-2-1 JFBビル2F - 最寄駅
- 赤坂見附駅徒歩3分
- TEL
- 03-5570-8711
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土・日・祝 |
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11:30~14:30 | / | ※ | ||||
16:00~19:00 | ※ | / | ※ | ※ |
休診日:木曜
※予約手術のみ
受付終了は診療終了の10分前です。