• 6月 21, 2026

切らないいびきのレーザー治療は有効か?

切らないいびきのレーザー治療の基本原理は、レーザーの熱によって軟口蓋粘膜や口蓋垂の粘膜内のコラーゲン線維を引き締め、リフトアップ効果により気道を広げていびきを改善するというものです。

従来の切開手術(軟口蓋形成術)とは異なり、ダウンタイムがほとんどない、つまり術後の痛みがほとんどなく、施術当日から普段通りの生活ができるのが大きな特徴です。

現在、多くの自由診療のクリニックで導入されていて、治療機器の種類としては主にナイトレーズ(Er:YAGレーザー)、スノアレーズ(Er:YAGレーザー系)、パルスサーミア(レーザー+熱刺激「機種により異なる」)が有名です。

この治療は健康保険が適用されない自由診療(全額自己負担)となり1回あたり6~7万円の施術料がかかります。しかも、1回で終わりではなく、繰り返し施術を受ける必要があり、効果を定着させるために通常6回〜10回程度の回数が推奨されることが多いです。また状態維持のため一生定期的に施術を受ける必要があります。結果的には1クールで40~50万円の費用がかかり、生涯にわたって費用が発生し続けることが大きな欠点です。

切らないいびきのレーザー治療をそれなりの回数受けたのにもかかわらずいびきに変化がなく、また経済的負担もこれ以上は限界という事情で当院を受診された患者様が多数いらっしゃいます。このような方々の咽頭の所見を観察しますと施術回数の割には、粘膜がまったくリフトアップしていないような所見ばかりでした。

切らないいびきのレーザー治療のうちナイトレーズに関してはその効果を評価する論文の蓄積があるようですが、現時点では高額な施術料を上回るいびきの改善効果があるとは到底考えられないと思われます。そもそも術後の痛みがほとんどなく効果も十分期待できるようならいびきの治療としては理想的であり、必ず保険適用(保険収載)となるはずです。現時点でも自由診療扱いということは効果に関してはかなり不確実といえます。

術後の疼痛が極めて少ないのは大きなメリットですが、効果が不十分であっては何の意味もありません。金銭的負担が気にならない方で痛みに弱く、少しでも効果があがればそれで十分というお金に余裕のある方のみ施術を受けられるのが無難です。

高度な軟口蓋低位が原因のいびきに対しては全く効果は期待できません。

執筆: 院長 坂本幸士

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