• 6月 4, 2026

いびきと下顎の大きさとの関係について

いびきと小さい下顎は、かなり密接に関係しています。小下顎によるいびきは体質ではなく構造的な問題です。気道は、口・鼻・喉・食道へと続く空気の通り道ですが、中でものど(咽頭)の部分は周囲を筋肉と軟部組織に囲まれており、構造的に狭くなりやすいという特徴があります。気道の広さに直接影響するのが顎の骨格の形です。

小下顎の方はこんな特徴があります。

  • 横顔で顎が引っ込んでいる
  • 首が短く見える

小下顎によりいびきが大きくなりやすいメカニズムは以下のように考えられます。

① 舌根沈下が起こりやすい

下顎が小さいと舌がおさまる部分の容積が不足し、相対的に舌が大きく働き口腔内の前方に収まりきれず後方へ偏位します。睡眠中上気道周囲の筋肉が弛緩すると重力の影響を強く受けるようになり舌がのどの奥の方へ落ち込みます(舌根沈下)。そうなると気道が狭くなり、それより先の上気道でより強い陰圧(吸い込む力)が生じ、周囲の柔らかい軟口蓋粘膜(のどちんことその周囲の粘膜)が引き込まれてより深くに落ち込みます。深く引き込まれた軟口蓋粘膜は振動しやすく大きないびき音を発生させます。

② もともと気道が狭い

もともと下顎が小さいため中咽頭のスペースが狭く、呼吸気の乱流が生じやすく 軟口蓋粘膜や咽頭壁粘膜

が激しく振動していびき音が発生します。

対策

マウスピース

下顎を前に出す形状のものを歯科に依頼して作成してもらい睡眠時の装用します。舌の沈下を防ぎ気道を広げる効果が見込まれます。長期間使用の欠点としては下方の歯列が少し前方に倒れ咬み合わせが合わなくなってくることが挙げられます。

CPAP療法

重度の無呼吸が併存する場合保険適応で使用できます。吸気の動作を機器が検知し陽圧をかけることによって気道を押し広げ、気道狭窄を抑制します。無呼吸だけでなくいびきも抑制されます。 あくまで対症療法ですのでCPAPの使用をやめれば元の状態に戻ってしまいます。また装用中の違和感でかえって睡眠が妨げられる場合もあり、この場合は装用が困難となります。

生活改善

①仰向けを避けて横向きで睡眠する

重力の作用で舌が後方へ沈下する影響をできるだけ緩和する方法です。

②減量

外科的治療

上下顎前方移動手術

上顎骨や下顎骨を骨切り術で切り離し前後・上下・左右に移動して適切な場所に矯正し気道を広げる手術です。この手術は一般的に口腔外科で行われています。CPAPやマウスピースなどの対症療法とは異なり、顎の位置を変えて気道を広げるので、最も治療効果の得られる根治療法の一つですが長期入院が必要な大がかりな手術です。

レーザー補助下軟口蓋形成術

軟口蓋形成術によって軟口蓋粘膜を減量し適正化をはかります。軟口蓋粘膜が全く見えない場合は手術ができない場合があります。

執筆: 院長 坂本幸士

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