- 6月 4, 2026
いびきと鼻づまりの関係について
いびきは、睡眠中に空気の通り道(気道)が狭くなり、そこを空気が通る際に粘膜が振動することで発生します。いびきと鼻づまりは、とても密接に関係しています。鼻づまりがひどいほど、いびきは出やすく・悪化しやすくなります。
なぜ鼻づまりでいびきが起きるのか
鼻づまり、特に睡眠時の鼻づまりがあると、酸素を取り込むために自然と口で呼吸するようになります。鼻呼吸の比率が減少し口呼吸の比率が大きくなります。口呼吸の比率が高いほど不利になります。そのメカニズムは以下のように考えられます。
①開口状態では舌付け根が喉の奥に沈下しやすく気道が狭くなります。狭くなった気道ではそれより先の上気道でより強い陰圧(吸い込む力)が生じ、周囲の柔らかい軟口蓋粘膜(のどちんことその周囲の粘膜)が引き込まれてより深くに落ち込みます。深く引き込まれた軟口蓋粘膜は振動しやすく大きないびき音を発生させます。
②鼻呼吸と違って口呼吸の気流は軟口蓋に垂直に当たるため粘膜に運動エネルギーを与えやすく、粘膜の大きな振動を生じさせいびき音が大きくなります。


かくれ鼻づまりに注意!
昼間は鼻づまりがなくても、睡眠中にだけ起こる自覚のない鼻づまりが「かくれ鼻づまり」です。朝起きた時に季節を問わず口や喉の乾燥感を自覚したり、睡眠中に常時口が開いていることを家族やパートナーに指摘される場合は「かくれ鼻づまり」の存在が強く疑われます。口呼吸では粘膜は加湿されないためです。そのメカニズムは以下のように考えられます。
①鼻腔粘膜は自律神経のうち副交感神経に優位に影響を受ける
あらゆる臓器は自律神経の影響を受けますが、自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあります。鼻の粘膜は副交感神経優位に支配を受けることが知られています。副交感神経は鼻粘膜の末梢血管を拡張させて血流を増やしたり、鼻粘膜の分泌腺を刺激して鼻汁を増加させる作用があります。
②副交感神経は夜間、睡眠時に活動性を増す
夜間に副交感神経の活動性が増すと鼻粘膜の血流が増加して粘膜の腫れが増強し、また鼻汁が増えて鼻腔内に滞留することで鼻づまりが増強します。
原因となる主な鼻の病気
鼻詰まりによるいびきは、以下のような疾患が関係します:
- アレルギー性鼻炎
- 副鼻腔炎(慢性・急性)
- 鼻中隔弯曲症
- 鼻ポリープ
改善方法
●すぐできる対策
- 横向きで寝る
重力の作用による舌の落ち込みや軟口蓋粘膜の引き込まれる程度を緩和します。
- 市販の鼻腔拡張テープの使用
物理的に鼻腔の気道を広げます・
- 加湿
乾燥は粘膜の腫れを誘発します。
- 鼻うがい
鼻内のアレルゲンを洗い流し、アレルギーの程度を減弱します。
● 医療的な治療
- 点鼻ステロイド(鼻炎)
鼻粘膜の腫れを緩和します。
- 抗アレルギー薬
鼻粘膜の腫れを緩和したり鼻汁の分泌量を減少させます。
- 手術
内視鏡下下鼻甲介切除術
執筆: 院長 坂本幸士
